造園伝統技法 鉄砲垣
大学院の早野フィールドでの、「 造園伝統工芸技法 」の演習で、「鉄砲垣」の造作を行いました。
鉄砲垣の由来は諸説色々あるようですが…
? 鉄砲垣は、竹を割らずにそのまま並べた竹垣であり、鉄砲を立てかけた形に似ている事からの由来。
? 戦国時代、合戦時に鉄砲隊の柵として使用された事からの由来。
鉄砲垣のベースを造作する1チーム
竹垣の材料である竹を伐採する 4チーム ?(私は、伐採チームでした)
(1) 4チームは、管理している竹林から、140本の竹材をチェーンソーを使わず、1本1本を手ノコで伐採。
1本の竹から、約2200mm の長さに 節から150mm に 3〜4等分にカット。
(2) 140本の竹を 太さにより 2〜3本にまとめ、300m 先のトラックに移動。
これが、意外に重く辛いです(汗)
(3) ?移動し、H2100mm の長さに、アタマを節に合わせて 1本1本 カット。
ランチをとり、午後から竹垣の造作です。
材料である竹を1本1本、自らの手で伐採、里山の物質循環を身をもって勉強する事、
用意されて物を造作するのではなく、全て、自分たちの手で切り出し、しかも3月の竹の子狩りから、夏の伐採など、管理している竹林から調達。
年間通して、勉強していく学科なんだと、すごく感心と言うか、考えさせられます。
鉄砲垣を教えていただいた、昭立造園さんは、1箇所の鉄砲垣の施工に、2人工だそうです (驚)
そうだよなぁ、それじゃなきゃ、金額も合わないよなぁと考えさせられます。
※ ?カットもされている竹材を使ってではありますが… (切り出しはしませんよね 笑)
まだまだ自分自身は、若いと自負していましたが…
ゼミの学生のパワーはスゴいと、実感します。
鉄砲垣は、夕暮れの時間切で、縛りが未完成でしたが…
何か、空間造りとは違う、達成感がありました。
ベースの親柱・胴縁は、約10年。
縦子の竹は、約 5 〜 6年で劣化してしまうそうです。
住宅などの塀には、予算を考えると、味気ないプラスチックの塀や、RC造の塀になってしまいますかね…。
縛り、造作など、随所に伝統技法を教えていただきました。
伝えていかなければいけない、技法だと実感しました。
Y.TAKAGI