2月25日(月)
今日は、第85回アカデミー賞授賞式が、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われました。
自分が一番注目したのは、デザインの仕事をする上で、リスペクトをしている、
昨年 2012年1月にお亡くなりになられた「 石岡瑛子 」先生が衣装デザインを担当した遺作
『 白雪姫と鏡の女王 』が衣装デザイン賞候補に挙っていました。
惜しくも受賞は逃してしまいました。受賞を獲得したのは、『 アンナ・カレーニナ 』の
ジャクリーン・デュラン。
素晴らしい作品ですが、最後に石岡先生に受賞していただきたかった…
石岡先生のパースです。 繊細で細部までこだわっています。
石岡先生と『 白雪姫と鏡の女王 』のターセム・シン監督とのコラボレーション
は、本作品で4度目。ものすごく、ターセム・シン監督の信頼は厚かったんですね。
ジュリア・ロバーツらメインキャストからエキストラ用の衣装まで約 300着以上
全て、石岡先生のデザインです。
石岡先生をリスペクトしていている自分にとって、すごい偶然な出来事が……
1980年代から、日本での全ての仕事を捨て、単身NYに拠点を移した石岡先生。
最初は仕事が全くなく大変でしたが、フランシス・コッポラ監督 「 MISHIMA 」
(1985年)で大抜擢を受け、なんと「 カンヌ映画祭芸術貢献賞 」を受賞。
石岡先生のデザイナーとしての大事にしている基本理念
「 ?Original ? ? 誰も真似できない 」 「 Revolutionary ? ?革命的 」?「 ?Timeless ? ? 時代を超える 」
しっかりアタマに入っています。
「 きちんとした仕事は、全体の仕事を緊張に導く 」
この言葉に何度も頷きました。 自分の進んできた道は間違ってないんだと……
「 1mm が世界を変える 」
「 ?全てのデザインに意味がある ?」
「 ?圧倒的な本物 ?」
プロフェッショナルとは ……
「 ?与えられた条件をクリアしながら、でも、それに留まらず、もっと高い答えを生み出す 」
デザイナーとして一番大切なことは ?……
「 DISCIPLINE ? ? 訓練/鍛錬 ?」 ?である。
生涯、勉強です。
「 ずっといつまでも、無我夢中で目隠しした馬が走っているようなものですよ。
寝ていたいと思う人にとっては物好きな生き方だと思うけれども ……
だ途中だからね。 旅のね。
これから死ぬまで目隠しした馬のように走るのかね。
う〜ん。 自分に興味がありますけれどね。」
73歳でお亡くなりになった、正に生涯現役のプロフェッショナルの石岡先生のお言葉です。
「 自分に興味がありますけれどね。」
自分自身に厳しかった石岡先生のすごく、ハッとさせられたお言葉でした。
世界のトップデザイナーになっていても「 無我夢中で目隠しした馬 」と自分を例える……
今の自分を見つめ直しています。
Y.TAKAGI